ある日のまかない

焼き魚(鮭)
ほうれん草の味噌汁
卵かけ御飯

毎日夕方の5時に食事をします。
俗に言う「まかない」ですね。
これを頂いてからちょっと一休み。
その後、開店となります。

先日、親しい人から野菜と卵を頂きました。
永田農法によるほうれん草と玉葱と鶏卵。
この日のまかないは、その頂き物。

食べていて、子供の頃を思い出しました。
「もっとも良く食べた朝ごはんの献立」
ということもありますが、
ほうれん草の味と香り、卵の味・・・
これらがとても懐かしかったのです。

子供の頃に食べていたほうれん草と卵は
「永田農法」なんて大袈裟な名前のものではなく
ごく当たり前に、その辺の店で売っていたものでした。
今、その辺の店で何も考えずに買ったとしたら
同じ気分にはならないでしょうね。
それだけ世の中が変わってしまった
ということなんでしょう。

私は食材に関して、良いとか悪いという
二元対立の表現を使わないようにしています。
「好んで食べる」ということと、
「生産されたものを消費する」ということは明らかに違うからです。
どんなものでも生産品である以上、
全ての過程で税金が発生し、
それが国庫の一部となって国民に還元されている。
つまり自分が世話になっているわけです。
それを忘れて物の良し悪しだけを捕らえるのは
ちょっといただけないな、と思います。

便宜上、話をほうれん草に固定しますが、
目の前にあるほうれん草には
(それがどんなほうれん草であったとしても)
膨大な時間とお金が費やされているわけです。
ほうれん草が食べられるものとして伝えられて来た経緯と時間とお金。
それに係わってきた人たちの時間とお金。
ほうれん草の食べ方や、
それぞれの調理方法の確立に係わった人の時間とお金。
こうしたものが、目の前のほうれん草に
いっぱい詰まっているわけです。
そして、それらの時間とお金があったから
今現在が成り立っている。
こういうことを考えるようになると
素材の良し悪しだけを取り上げられなくなってしまうのです。

選ぶと言うことは大事なことです。
まして、
「それをお客様に提供する」
ということを、職業として選んでいるわけですから
責任はとても重大です。
積み重ねられてきた時間とお金を無駄にしないように
どんな食材でも、
生かしつつ美味しく食べていただけるように
料理しなければなりません。

大変な仕事を選んでしまった、と思っています。
もしかしたら
「飲食は仕事にするべきではないのかな」
とも考えています。

でも、お客様の
「美味しい」という言葉と笑顔に
つい釣られてしまうのですね。
とても辞められそうにありません。

世の中が変わってしまったことを嘆く前に
普通に売っているほうれん草も
美味しく食べられるようにする。

「それが自分達の仕事だ」と、今は思っています。

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