オクラと茗荷のちりめん山椒
phot y.kubo
六月 三十日 水曜日
【 菜 】
焼き枝豆 オクラと茗荷のちりめん山椒
水茄子と新生姜の味噌もみ ホワイトアスパラの天ぷら
加賀太胡瓜とわかめと小柱のおひたし 生キャベツと辛味噌
【 造 】
城下かれい めばちまぐろのづけ ほたて 石垣貝
【 煮炊 】
もつ煮豆腐 あさりと木耳(きくらげ)とレタス
【 焼 】
地鶏 塩漬豚 うなぎのふき味噌焼き ごろいか
【 肴 】
岩牡蠣 稚鮎と黄ニラの柳川鍋 白菜と鶏肉の冷やし煮
牛肉とらっきょう炒め 豚肉とじゃが芋の山椒醤油
穴子の天ぷら 桜えびと新生姜の天ぷら とり肝の生姜煮
どじょうのオイル煮 こんにゃくぴり辛
【 常 】
香のもの 玉子焼き 京揚げ焼き おとうふ
【 おうどん お食事 】
もり ごまだれ
さだ吉 ( 鶏肉と京揚げと葱入り )
冷やし穴子
蓮根となめこのからしあえ
たこの吸盤
亀の手
羊のロースト
phot y.kubo
2010年06月
まずは梅酒から始める。
一昨年前に、梅干作りではじいた梅で少量仕込んだのが最初。
まあまあ美味しくできたので、ちょっと気をよくして昨年のこと。
梅1kg、一升くらいのつもりで作り始めたのだが
途中で気が変わって、計六升の梅酒を作った。
黒糖と、黒糖焼酎で作る、というのが自分流。
というのは、白い砂糖を好まない、ということが基になっている。
どうせなら美味しくてミネラルたっぷりの黒糖を使ったほうが
飲んで意味のあるものができるに違いない。
それならば、酒も黒糖焼酎であったほうがより美味しいはず。
こういうことは商売とは離れたところ
いわゆる趣味でやっていることだから
原価については深く考えないことにしている。
まだ青い南高梅を一昼夜水に晒して灰汁抜きをする。
こういうことも、水道水ではなく、井戸水であったら
より美味しい結果になるだろう、と思うのだけれど。。。
ところどころ色が変っているのは
梅の実同士が箱の中でぶつかり合ったか
落ちたときにできた、当たり傷のようなものだと思われる。
触ってみて、凹むほどでなければ大丈夫。
ひとつひとつ手にとって、ヘタを取り、水気を拭う。
これらをガラスの保存容器に入れて、酒を注ぐ。
今年は、アルコール度数を高めに作ることにした。
酒は、同じくサトウキビを原料とするラムを使う。
全部をラム酒で仕込もうというわけではない。
まずアルコール度数の高い酒で梅のエキスを十分に抽出して
そこへ黒糖焼酎を加えるという
いわゆる二段仕込みにするつもりなのだ。
昨年の梅酒は、まぁまぁ美味しくできたのだけれど
梅独特の風味に乏しいような気がした。
それがアルコールのせいかどうかわからないけれど
エキスを抽出するなら、その度数は高い方がいいはずである。
かといって、全部がラム酒では、飲み辛い酒になるだろう。
それで二段仕込みを思いついたという次第。
あとで酸甘味の調整ができるように
予定量より少な目の黒糖を加えてこなれるのを待つ。
新しい試みでいきなり12升というのはちょっと無謀だったか?
でも、なんとなく美味しくできそうな気がする。
築地へ仕入れにでかけるたびに
八百屋の店先に並んでいる梅が気になって仕方なかった。
いいタイミングで梅仕事に手をつけることもできず
「六の市」にかかりきりになってしまった今年の6月。
干す頃を見計らって、そこから漬け始めの日を逆算するので
ここで先延ばしにすると、後が面倒なことになる。
「六の市」のあと少しゆっくりしたかったが
そうもいかず、週明けから早々に取り掛かっている。
梅も天気も待ってくれないから、休んでいる暇がない。。。
今年も20kg。
傷のあるもの、傷みかけているもの
全体に熟れているもの、ヘタの周りが熟れているもの。。。
梅干として漬け込むのに適さないものを除いて、だいたい18kg。
ここではじいた梅は、梅酒に使う。
今年の梅酒は、昨年の経験を生かして二段仕込みとした。
最初の仕込みは「六の市」の前に済ませることができたので
こなれたところへはじいた梅を追加するところから。
昨年は、最初の糖度が高すぎたせいか、梅が固くなってしまった。
黒豆や、栗の渋皮煮を作るときと原理は一緒なのかな?
そう思って、今年は二回に分けて仕込むことにした。
酒も、初回の仕込み分はアルコール度数を40度にして
梅のエキスを十分に抽出している。
これで梅と黒糖がこなれたら、味のバランスを見て
仕上げの分の黒糖焼酎を加える。
ということは三段仕込みか?
20日、最終日は
ご夫婦連れと、ご家族連れが多く
日曜日らしい、ゆったりとした流れでした。
それでも30名を越えるお客さまにご来店いただきました。
中には2回目というお客様も何組かいらっしゃって
日ごとの目玉をそれぞれにお楽しみいただけたご様子。
3日間で、延べ120名を越える盛況ぶりでした。
本当にありがとうございました。
「六の市」の収益は、経費を差し引いた後
法隆寺に寄付いたします。
それは、屋根瓦を購入して納める、という形で行われており
修繕、修復に備えて瓦を寄進する、ということになります。
購入した瓦の裏に、一枚一枚名前を書いて納めるのです。
そのためには法隆寺まで出かけることになりますが
それはそれで、大きな楽しみにもなります。
もともとは壊れモノや半端モノを処分していた「六の市」です。
お買い上げ下さった方々へのお礼と
十分に働いてくれたモノ達への供養と思って
これまでそのようにしてきました。
ですから現在、法隆寺に「吉」とかかれた瓦が
何十枚も保存されているのです。
そして、そこに今回の分も加えられます。
必要経費の中に、少々の打ち上げ費用を含みますが
これはどうかご容赦下さいませ。。。
「六の市」にお出かけ下さったお客さま方と
これに関わり、ご協力下さった皆様に
心から御礼を申し上げます。
どうもありがうございました。
10年分の煤払い、と銘打って始めた「六の市」の最終日。
姿の良いもの、使い勝手の良さそうなもの。
これらのほとんどは、初日に嫁ぎ先が決まりました。
程度が良くて、数の揃う品は、二日めまでに無くなりました。
二日でおよそ80人。
ほとんどの方が、何かしらお買い求め下さいました。
手提げ袋2つというお客様も、何組かいらっしゃいました。
本当に、ありがたいことです。
そして、最終日は予想通りの品薄。
モノに代わってカウンターに並んだのは
当家でお馴染みの料理が幾つかと
お祭りだから許して、という「ちょっと外し気味」の品々。
お馴染みの、ちりめん山椒 1パック 500円
七十二候~の表紙を飾った「おくらと茗荷のちりめん山椒あえ」は
これで作ります。
山椒の季節に作り貯めて
夏が終わる頃まで使い続けます。
自分にとっては
冷蔵庫を開けたときに、その姿がないと不安な気持になる。
という一品です。
続いては
春日井の好きな、つぶ貝と水前寺海苔の生姜煮
一パック 500円
石垣貝も入っています。
きこきこしたつぶ貝の食感は格別です。
ありがちな甘辛い味付けではなく
新生姜のさわやかな辛味を生かしたさっぱり味。
今日は、これをつまみに酒を飲んでいただくことも出来ます。
そして、もしかすると期待外れかもしれない一品。
三浦の作った、黒糖梅酒ジャム。
中瓶 500円
小瓶 300円
これは、作る過程をブログにアップしました。
それが故に、静かなに注目を集めているのですが
さて、どうでしょう?
自分ではなかなか美味しいと思っているのですけれど。
もう一つ、このブログの読者様にはお馴染みの一品。
「麻布 三浦屋」の、手作りベーコン 一塊±200gで1000円
ベタなネーミングですが、まさにそんな感じ。
添加物等がまったく入っていない、ということと
自家製(苦手な言葉なんだけど)の良さとも言える
素人臭さが、微妙な味加減を生んでいる(笑)
ブログの読者様の「食べてみたい」というリクエストが
もっとも多い一品です。
これは、絶対にお勧め。
バホンディージョ 2008 (スペイン) 1本1000円
この半年で、自分が最も多く買い、そして最もたくさん飲んだワイン。
ワインの味わいの、全ての要素が含まれている、と思います。
酒屋さんでの店頭価格が二千円を下回ることは考えられません。
まさに、お買い得中のお買い得。
その他に
豚挽き肉と干し海老の辛味噌 1パック 500円
梅干 (潰し) 100g 7~8粒 500円
これには僕も驚いた、春日井の食べるラー油 1パック 500円
というような顔ぶれです。
三日めの酒は、穂乃花とバホンディージョ。
さらに
昨日のブログで意味深に仄めかしていた
・・・
とは
器などをお買い上げ下さったお客様に引いていただく
はずれなしの三角くじ。
くじの中身は
箸置き、湯呑茶碗、賀茂なす
それから
十四代 無濾過純米、開運(波)、土佐しらぎく斗瓶取り大吟醸
お気に入りのスペイン・ワインなど。
最終日ですから、気前も景気もはじけています。
正午から19:00まで。
さて、どうなるでしょうか?
【六ばんめの味】
http://sadakichi-693.com
にて公開中
sadakichi693