鶏始乳 にわとりはじめてとやにつく
にわとりが卵を産むために寝屋につく、という意味。
七十二侯の最後に、生まれ来る命への萌芽を含んでいるのは
来る年への期待を込めてのことだろう。
冬は生物にとって生きにくい季節。
無事に過ごせてこそ春を迎えることができるのだ。
自然界は常に、命の絶える前に新しい命を用意している。
次の命をつむぎながら活きているといえるだろう。
暦も七十二の季節をつむぎ終えた。
これよりまた新しい年へと向かう。
川口澄子 三浦俊幸 「 七十二侯 美味禮讃 」 ( 小学館刊行 ) より
人は、命を(暦を)つむぎながら生きているのだと思います。
店も、また同じ。
「さだ吉」は、間もなく役目を終えます。
そして
「カスガイ」が、新しい暦を刻み始めるのです。
謹賀新年。
2012年01月
2月3日、節分の日をもちまして、さだ吉を閉店します。
「店がなくなる」ということではありません。
開店から今日まで「さだ吉」の料理を
考え、作り続けてきた相棒に、後を任せることにしました。
私は、個人の都合で申し訳ありませんが、店を離れます。
今後は裏方を勤めながら
お客さまの居心地の良い店であり続けるよう、サポートします。
相棒が料理を作り、私がお酒をお勧めする。
その形を崩す、ということは「さだ吉」でなくなる、と言っても良いでしょう。
でも、私共の想いは、変わらず店にあります。
これからもお客さま方に喜んでいただけるように
表と裏の両面から、しっかり支えあって、店を続けて参ります。
店の名前は 「さだ吉 鎹 カスガイ」 といたします。
子は鎹、と申しますけれど
店もまた、鎹。
お客さまと、お客さまを
食材と、お客さまを
生産者と、お客さまを
その身でもって繋ぐことのできるよう、願いを込めました。
2月中に店内の一部を改装し
3月の上旬に営業を再開いたします。
これまで「さだ吉」をご利用下さいましたお客さま皆さまに
心からの感謝と御礼を申し上げます。
そして、これから先もずっと
皆さまのお食事の場であり続けるように
精いっぱい務めさせていただきます。
今後とも、変わらぬお付き合い
どうぞよろしくお願い申し上げます。
さだ吉 店主 三浦俊幸
さだ吉 [ 鎹 ] カスガイ
営業時間
12:00 ~ 14:00
18:00 ~ 22:00
( ラスト・オーダー 21:00 )
定休日 : 日曜日と祝祭日
お食事
昼、夜とも おまかせ定食 お一人様 3,500円 ( 税別 )
前菜 野菜料理6品の盛り合わせ
副菜 温かい野菜の料理
主菜 その日の魚か肉料理
ご飯、味噌汁、香のもの
夜のみ、一品料理の追加を承ります。
地鶏焼き、京揚げ焼き、おとうふなど、お馴染みのお料理
季節ごとの定番の料理やお造りなど。
お飲物
ビール、お勧めの日本酒、月替わりのワイン
店内は、禁煙です。
既製品に具合の良いものがなくて
指物職人さんに製作を依頼しました。
仕上がりが楽しみです。
【六ばんめの味】
http://sadakichi-693.com
にて公開中
sadakichi693