南信州にいます。 あした東京に向かう予定です。
思えばそろそろ1年が経ちます。
自分が先頭に立って
13年もの間、旗を振り続けてきた「さだ吉」を閉店したのでした。
その後、店を改装して営業スタイルを変えました。
それから1年。
相棒に日々の営業を預け、自分は農業修行に明け暮れてきました。
1年やそこらのことで結果が出るほど、農業は甘くありません。
それでも相応の手ごたえを感じています。
今年は、その成果を問われる1年になるでしょう。
明日、2月1日からランチのスタイルを変更することにしました。
Aランチ1200円と、Bランチ1400円の二本立て。
Bランチは、「昼のおまかせ定食」という位置づけで
内容はこれまでのランチの主力であった「ぎたろう軍鶏の汁かけ御飯」です。
Aランチは週替わりです。
意図が解りやすいように「ヘルシー定食」と名付けました。
主食、副菜3品、味噌汁、玄米ご飯。
全部で500㎉、さらに塩分が3g程度、という目安付き。
正直に言います。
数字は単なる目安でしかありません。
まず、カロリーも塩分も、同じ素材でも個体差がある、ということ。
さらに、人が必要としているカロリーと塩分は、人それぞれであるということ。
朝食と夕食で数字を超えたら意味がない、ということ。
それでも敢えて、数字を前面に押し出してメニューを組む。
私個人としては、聊かの抵抗を感じます。
でもそれは「小さいこと」なのかもしれません。
自分の感情とは別に
実際に「食べてもらう」ということが肝心だと思うのです。
当家で昼食を摂った日の午後は
なんだか体が軽くて仕事が捗った、とか
気分が落ち着いて交渉ごとがうまく進められた、とか
おなかを満たすだけの昼食を採った日とは違う何かを
感じてもらえるようになれたらいいな、と思います。
良く、「お得感」という言葉を耳にします。
同じ金額で、より「得をする」ことへの価値観をそう言うのでしょう。
本当の意味での「お得感」とは
より「体のためになる」ということだと私は思います。
財布の中身に「お得感」を感じているようでは
本当の意味での「得」は得られないでしょう。
奇しくも先人が言葉を残してくれました。
「安物買いの銭失い」と。
体を養うことができての損得勘定ではありませんか。
そのために「数字」が必要なら、用いましょう。
例えば脂質異常症、高血圧、糖尿病。
第一線で現場を支える年齢層に当たる人たちが
そろそろ気にしなければいけない「生活習慣病」について
適正な機関が示す「数値」を食生活の基準とすることも
都心生活者にとっては、必要なことでありましょう。
Aランチは、食材確保の都合で、およそ週替わりにします。
週の半ばでメニューを入れ替えることで
前半と後半で違うランチが楽しめるように、と思っています。
昼食を、自ら選んで食べること。
それによって、異なる結果が得られたら良いですね。
「生きる」ことと、「活きる」ことでは、意味が大きく違います。
「活きる」ための食事であること。
そのための場所として、店を構えるということ。
「さだ吉」という店は無くなりましたが
その心は、形を変えて、活きているのです。