鰻は好きだが、蒲焼きという料理方法があまり好きではない。
どちらかと尋ねられれば、断固として白焼き派。
それでも、たまに甘い鰻を食べたくなることがある。
そんなときは
白焼きを醤油と味醂を煮切ったタレでさっと炊く。
築地に売っている冷凍の白焼きが、手ごろで重宝している。
落し蓋をして、少量のタレが全体にいきわたるようにする。
中までしっかり温まって、ふっくらしたら火を止める。
ごはんはバットなどに広げておき、まずタレと白ごまをなじませる。
全体にタレがいきわたっていたほうが、他の具材を混ぜ込みやすい。
これに混ぜるのは、紫蘇と海苔。
良くある千切り、細切りにはせず、色紙切りとする。
その方が食べやすい。
千切りと細切りがなぜダメなのかは、こうしてやってみたらわかる。
さて、ここで間髪をいれずに鰻をのせる。
白焼きをさっと炊いただけなので、うな丼のように
箸で鰻を千切る、というようなわけには行かない。
それで、食べやすいように一口大に切っておく。
皮を下にして切ること。
そしてそれを、ご飯の上に適当にのせる。
これでもう十分なのだけれど、これから先はお好みで。
散らし寿司風に、錦糸玉子を乗せるのも良い。
ここでもあまり細く切るのは歓迎しない。
卵のふんわりした感じを残したほうが美味しいと思うので
やや半熟の薄焼き卵を太目の線に切る。
ただしこういうものは前もって用意しておかなければならない。
全部が出来上がってから卵を焼いたりしていては
せっかくの鰻とご飯が冷めてしまう。
さらに、万能葱を小口切りにして散らすと彩りよく仕上がる。
ただ、葱は香りが強すぎるのであまりお勧めはしない。
穂紫蘇があれば、そちらの方がだんぜん良いと思う。
自分は山葵の香りが好きなので、横に添えて共に食す。
これはバットにそのまま作ったが
飯台か寿司桶にでも盛り付ければ見栄えもするというもの。
冷めたら丼にとって、あつあつの出汁かほうじ茶をかけまわし
茶漬けにするというのも一興である。
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