昨年の北海道での農業研修中に覚えた「芋の塩煮」。
それは海水ほどの塩水で、じゃが芋を煮るだけの料理。
昼ごはんに、芋だけを食べる。
本当に、芋だけ。
正直なところ、衝撃を受けました。
芋だけって・・・
でも、うまかった。
採れたての芋を喰らう贅沢。
そこには何の小細工も必要ありませんでした。
これは、採れたての男爵芋。
ぎたろう軍鶏の故郷、辰野町の生産者さんから分けて頂きました。
皮は剥かず、束子で洗った芋を鍋にぎっしり入れて
少なめの塩水で、蓋をして、中火で湯がく。
湯がきあがったところで水気を切って、子ふき芋の要領で水気を飛ばす。
ほんわりと湯気の上がる芋を、銘々が皿に取って、熱々を食べる。
それだけ。
新しいじゃが芋は、実はスパイシーなものなのです。
だからコショウなんて、必要ありません。
バターやオリーブ・オイルは、蠱惑的な楽しみ。
え? マヨネーズ?
否定はしません。 むしろそそられます。
しかし、そこに
更なる彩りを添えるのも「その道のプロ」としての自負。
クリスプ・ベーコンのように、弱火でじっくり、カリカリに焼いた豚バラ肉を
この塩煮にトッピング。
そして滲み出した油をちょいと掛けまわす。
漬かったばかりの「塩らっきょう」を箸休めに。
いいでしょう。
そして、ヤバいでしょう。
箸が、そして酒が、進んで進んで止まらない!
これが一日、野良仕事をした後の夕餉あっても、何の不足もありません。
むしろ感謝します。
さて
家庭の火力は、決して強くはありません。
じくじくと、中途半端な加熱をするくらいなら、
いっそのこと中火や弱火を上手に使ったら良いと思うのです。
自己満足ではない、家庭料理。
そこに、生きるための「実」のあることを、願っています。
っていうか
食べたら元気にならなくちゃ!
ね?
おつまみの鉄人
春菊に限ったことではないのですけれど
葉っぱと茎を一時に使う必要はないと思うのです。
葉っぱには葉っぱの、茎には茎の活かし方がある、ということです。
なので、下ごしらえをするときにはそれぞれを分けておきます。
とくに春菊は金の気を嫌うので、包丁は使わずに手でちぎりました。
葉っぱの部分は、生で食します。
大好きな料理、油揚げと生姜と酢醤油でざっくりあえるだけ。
油揚げはテフロンのフライパンできつね色に焼いて、適当な大きさに刻みます。
これに、細く刻んだ生姜と醤油と酢。
生の春菊を、酢醤油の浸みた油揚げで食べる、という料理です。
春菊と、油揚げをざっくりと合わせて、いただきます。
白ごまを捻って加えると、さらに良いですかね。
生野菜は、野菜そのものがおいしければ、油を必要としません。
というか
野菜そのものが美味しくないから、油っ気を足して食べるんじゃないのかな。
美味しい野菜を探して、簡単な調理方法でたくさん食べましょう。
そして、茎は茎で別の料理に使います。
今日はほうれん草の茎もあります。
春菊の茎は手でちぎっただけ。
ホウレン草の茎は、根っこの部分から半割、あるいは4つ割りにしてあります。
これを牛肉とざっくり炒め合わせる。
葉っぱには葉っぱの、茎には茎の美味しさがあると思うのです。
味わいを活かして別々に使う。
同じ素材でも、考え方次第でもって料理の幅が広がる、というものです。
鰻は好きだが、蒲焼きという料理方法があまり好きではない。
どちらかと尋ねられれば、断固として白焼き派。
それでも、たまに甘い鰻を食べたくなることがある。
そんなときは
白焼きを醤油と味醂を煮切ったタレでさっと炊く。
築地に売っている冷凍の白焼きが、手ごろで重宝している。
落し蓋をして、少量のタレが全体にいきわたるようにする。
中までしっかり温まって、ふっくらしたら火を止める。
ごはんはバットなどに広げておき、まずタレと白ごまをなじませる。
全体にタレがいきわたっていたほうが、他の具材を混ぜ込みやすい。
これに混ぜるのは、紫蘇と海苔。
良くある千切り、細切りにはせず、色紙切りとする。
その方が食べやすい。
千切りと細切りがなぜダメなのかは、こうしてやってみたらわかる。
さて、ここで間髪をいれずに鰻をのせる。
白焼きをさっと炊いただけなので、うな丼のように
箸で鰻を千切る、というようなわけには行かない。
それで、食べやすいように一口大に切っておく。
皮を下にして切ること。
そしてそれを、ご飯の上に適当にのせる。
これでもう十分なのだけれど、これから先はお好みで。
散らし寿司風に、錦糸玉子を乗せるのも良い。
ここでもあまり細く切るのは歓迎しない。
卵のふんわりした感じを残したほうが美味しいと思うので
やや半熟の薄焼き卵を太目の線に切る。
ただしこういうものは前もって用意しておかなければならない。
全部が出来上がってから卵を焼いたりしていては
せっかくの鰻とご飯が冷めてしまう。
さらに、万能葱を小口切りにして散らすと彩りよく仕上がる。
ただ、葱は香りが強すぎるのであまりお勧めはしない。
穂紫蘇があれば、そちらの方がだんぜん良いと思う。
自分は山葵の香りが好きなので、横に添えて共に食す。
これはバットにそのまま作ったが
飯台か寿司桶にでも盛り付ければ見栄えもするというもの。
冷めたら丼にとって、あつあつの出汁かほうじ茶をかけまわし
茶漬けにするというのも一興である。
以前、ベーコンは簡単に作れる、という記事を掲載した。
簡単に作れる、とは書いたけれど
実際にやるとなったら、それなりに手間のかかる作業もある。
それを面倒と思うか、必要な手間と思うか
人それぞれだと思うのだけれど。
当ブログは、いわゆる料理自慢、グルメ自慢といった類のものではなく
こんな考え方や食生活がある、できる、という
発想の掴みどころとなることを目指している。
だから説明もかなり大雑把。
最近、実際に作ってみた、という話を耳にするようになった。
みなさん、なかなかのチャレンジャーですね(笑)
書き手としては、とても嬉しいことです。
それならば、もう少し丁寧に書かなくては、と感じているこの頃。
そして、話は最初にもどるのだけれど
実際にベーコンを作ってみた、という人から感想を聞いた。
うーーん。。。
よりによってあれを本当にやる人がいるとは思わなかった ・・・ (笑)
作業そのものは至って単純なのだけれど
それぞれの勘どころが難しい。
塩加減、漬け込み時間、スモークの加減など。
ただ、こうしたことは
料理をする人にとってみれば、好みの部分でもあり
それぞれに調製することが楽しかったりもする。
したがって、説明を加えるとしたら
スモーカーがなくても簡単に作れる、というところ。
家庭用キッチンのグリルを如何にして使うか、という説明が必要だろう。
前出のやってみた人の感想は
コンロまわりの目張りの具合が難しかった
部屋の中に臭いが残って大変だった
ということだった。
今日はこれを解決する。
ここまでは一緒。
まずはレンジ回りの目張りから。
火口をアルミホイルで覆う。
それと、グリルの排煙口を三分の二ほど。
そして、部屋が臭くなる、ということにも対策を立てる。
煙が漏れないようにコンロ全体を覆ってしまおう、という魂胆。
写真では家庭用のゴミ袋を開いて使っている。
まずは側面。
そして前面。
全体が煙突のようになった(笑)
もちろん換気扇も回している。
グリルも目張りする。
これは火をつけてから。
煙はこんな感じ。
空気が流れていて、燃えすぎず、消えないように。
この加減は目張りで決まる。
これでスモークすること約1時間。
簡単に出来るとはいうものの ・・・
ここまでするならスーモーカーを買った方がいいんじゃないか?
っていう気もするんですけどね。
こうした作業を面倒と思うか、手間と思うか
楽しんで出来るか、そうでないか
人それぞれでしょう。
では、存分にお楽しみください。
忙しくて、食事もなんだか曖昧だった3月と4月。
ばたばたで、そのまま出かけてしまったゴールデン・ウィーク。
今回の連休は、先述の通り長野にいました。
出かけっぱなし。
そして放置された我が家の冷蔵庫。
さらに週末。
この賞味期限切れの食材をなんとかしなくては!
このブログの読者には馴染みのある食材?
葱のしっぽ。
一把分をまず刻む。
アスパラの根に近いところ。
食べやすいように、薄く小口切り。
オリーブ・オイルとバター。
刻んだしっぽとひげ根を投入。
オイルとバターで揚げるような感じ。
今日は5月8日だけど(笑)
軽く煮立てる。
そして
食べきれずに残したサービス品のチーズ4種類。
それぞれの端を落として投入。
ここで塩と白胡椒。
そしてペンネ。
火を止めてからざっくりとからめる。
アクセントに荒く砕いた黒胡椒。
消費期限が切れてたってなんとかなるソースのパスタ。
【六ばんめの味】
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