南信州から
まだ雪の残る、信州高原。
2月の、二度の大雪で被害に遭った生産者さんたちのところへ挨拶に行ってきました。
100坪のビニール・ハウスが、まだ、何棟も潰れたままになっています。
とても、写真を撮る気持ちにはなれませんでした。
お見舞いを申し上げます。
端境期に雪害が重なって、品薄の状況が続いています。
このあたりは道路が封鎖されて、流通が止まりました。
根菜類など、農家さんの備蓄まで売りに出され
いよいよ野菜が底をついた地元の産直市場などは
近県から仕入れをしながら営業を続けている、という次第です。
赤紫の部分は、霜にあたって焼けた痕。
氷点下10度を越える寒さの中で、生き延びました。
こちらは、ハウス栽培の「章姫」。
アブラムシやダニの被害に遭いやすいので、薬が使われることの多いイチゴ。
当家イチ推しの唐澤農園さんのイチゴは、天敵による防除をしており
農薬は一切使っていません。
香り、甘さ、瑞々しさ、どれをとっても別物。
お孫さんに食べさせたいから、という気持ちで作っているそうです。
自家の畑の周辺の雪も、もうあとわずか。
車ですぐ近くまで入れるようになりました。
害があったと考えるのは、人間の都合。
たっぷりと積もった雪は、そのまま大きな貯水となり
毎日、少しづつ、地面に潤いを与え続けています。
この、山に浸み込んだ水が、やがては川に流れだす。
大雪の降った年は、干害がない、と言われる所以です。
さて、今年の畑をどうしようかな。
作付計画を全面的に考え直さないと。。。
南信州に滞在中の三浦です。
あらためまして、本年もよろしくお願いいたします。
雪に埋もれた水菜
これでも春になれば大きく伸びて、花を咲かせ、種をつけます。
新年の抱負、とまではいかないのですが、2013年の備忘録を兼ねて少し。
南信州で就農して一年が過ぎました。
その一年目の成果は、予定の四分の一。
2013年が、難しい年であったこともあります。
春の水不足、5月中旬の遅霜、初夏の水不足、週ごとの台風。
お天道様にケチをつけても始まらないのですが
新規就農者には、なかなか手厳しい洗礼だったと思われます。
宅配業務の方は、近辺の生産者さんに協力して頂いたおかげで
無事に一年を終えることが出来ました。
頒布会形式で始めた週末お届けコースは、常に満会。
継続して下さる方が9割で、なかなか空きが出ない
という状況でした。
平日お届けコースには、まだ伸び代があります。
来年度は、農地を拡大する予定です。
いままでの60坪に加え、あたらしく450坪。合わせて約500坪。
全てを作物で埋めるつもりはありません。
少量多品目の手仕事なので、一人では回せないでしょうし。
すぐに使うところと、休ませるところ。
土壌を改良、改善しながら、作物に合わせて転がしていくつもりです。
その上で、安定したお届けができるように、作付と収量を増やします。
種蒔き=収穫でないことは、始まる前から解っていましたが
この一年で、現実として、しっかりと身に浸みました。
見積もるのは、少な目でなく、多くなければなりません。
作物を生産する、ということは、想像以上にリスクが大きい。
しかも、ハイ・リスク、ロー・リターン。
農業で経済的に自立するには、まだまだ時間がかかりそうです。
そして、今年の春にリンゴの苗を植える予定です。
5品種を8本づつで、計40本。
最初のリンゴが採れるのは、3年後。
収入になるとしたら、4年後から。
昨年から、大町のリンゴ農家に通って研修していました。
週一回の研修は、今年も続きます。
私の仕事は、カスガイとの連携が全てです。
その関わりの中で、どんなことができるか考えさせられた一年でした。
自分と、自分を支えて下さる周りの方々。
小さな集まりの中で、思うとおりにやらせていただけることのありがたさ。
そのお蔭で、自分が生かされているのだと、感じます。
新宿から南信州までは、高速バスで約3時間。
暖かくなったら、のんびりしに来てください。
お食事を整えて、お酒のご用意もして、お待ちしています。
店主敬白
三浦です。 南信州で、元気にやっています。
台風が去って、気持ちの良い日が続いています。
作業場兼住居があるのは、標高900mの信州高原。
室内の気温が20℃前後という涼しさです。
この夏は、とうとうエアコンを使わずに終わりました。
最近は、スタッフS・Oにブログの更新をまかせっきりにしています。
本家HPとブログの他に、Facebookがありまして、
私はそちらで日々の様子をお知らせしています。
「さだ吉 鎹」で、検索してみて下さい。
南信州での様子をほぼ毎日、公開しています。
さて
気候が、ちょうど良いのです。
暑すぎず、寒すぎず、湿度も高からず、低からず。
農作業の合間を見ながら、ひさしぶりに、おうどんを打ちました。
水回し。
水分量、46%。 多加水麺です。
菊揉み。
外から内に向かって、生地を練り込む作業。
これを1~2時間の休みを挟みながら、3回繰り返した後、足で踏みます。
3kgで玉を作って、1.5kgづつに分けました。
これは二回目。
一回目は、練習で消えた(苦笑)
包丁の勘は、鈍っていませんでした。
ちょいと捻ってあるのが、そのまま麺の特徴になります。
出汁が絡みやすくなるのです。
さだ吉のおうどんは、これをさらに低温で熟成させる。
夏場は3日~5日が食べごろです。
。。。
ちょうど良いですね。
12人前あるので、今週末、東京に持って帰ります。
23日の夜、こっそり店を開けましょう。
深まりゆく秋を楽しみつつ、「さだ吉」でお待ちしています。
それではまた。
三浦俊幸
【六ばんめの味】
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